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「十字架の道」シリーズ (6) - 善悪の知識の木を置かれた摂理
万民ニュース
第 43 号
8208
2006. 7. 2
善悪の知識の木を置かれた摂理
「…あなたは、園のどの木からでも思いのまま食べてよい。 しかし、善悪の知識の木からは取って食べてはならない。それを取って食べるその時、あなたは必ず死ぬ。」<創世記2:16-17>
創造主の神様の大きい愛と、深くて不思議な人間耕作の摂理を知らない人々は、「神様はなぜ善悪の知識の木の実を置かれて、人間を破滅の道に行くようにされたのですか?」と聞きます。仮に神様が善悪の知識の木の実を置かれなかったら、人間は死を見ずに、エデンの園でとこしえまで幸せに生きることができたのにと思うからです。
それどころか、「神様はたぶん、アダムが善悪の知識の木の実を取って食べることをご存じなかったのだろう」と言う人もいますが、これは全知全能の神様を信じない証拠です。何より、愛の神様がわざと善悪の知識の木の実を置かれて、死の道に導かれるはずもありません。
それでは、神様がエデンの園に善悪の知識の木の実を置かれた理由は何であり、どうしてアダムは死の道に行くしかなかったのでしょうか?
1. エデンの園でのアダムとエバ
最初にアダムが造られたとき、アダムの姿は成長したおとなのかたちでしたが、知識の点では、まるで生まれたばかりの赤ちゃんのようでした。新しく買ってきたコンピューターの中に、まだどんなデータも入力していないのと同じです。
それでアダムは、神様からエデンの園で、神様と霊の世界について、真理と善と光について、多くの霊の知識と万物を治められる知識なども学びました。こうしてアダムは、ついに万物の霊長として、すべてのものを従えて支配する資格を備えるようになりました。
<創世記1:28>に「生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。」とあるように、アダムは 多くの子どもたちを生み続けて栄え、数え切れない歳月の間、アダムは万物の霊長として大きい御力を受けて、何の不足もなく生きていたのです。ところが、神様は人間に自由意志を下さいましたが、ただ一つ禁じられたことがありました。
<創世記2:16-17>に、「神である主は、人に命じて仰せられた。『あなたは、園のどの木からでも思いのまま食べてよい。しかし、善悪の知識の木からは取って食べてはならない。それを取って食べるその時、あなたは必ず死ぬ。』」とあります。ところが、数え切れない歳月が流れていくうちに、アダムとエバは神様の命令を心に留めなくなり、善悪の知識の木の実を取って食べてしまいました。
2.人類に罪が入ってきた過程
アダムとエバが善悪の知識の木の実を取って食べるまでの過程では、敵である悪魔・サタンが蛇を操ってエバを惑わしたのです。たいていの人は蛇を鳥肌が立つほど気味悪がりますが、それは人類が蛇によって死に向かうようになったので、本性の中で嫌うからです。
今日の蛇は、エバを惑わしてから神様に呪われて変えられた姿で、呪われる前の蛇は可愛らしくて見事な姿をしていただけでなく、狡猾なので人の心もとらえる知恵もありました。
ある日、蛇がエバに、「あなたがたは、園のどんな木からも食べてはならない、と神は、ほんとうに言われたのですか。」と言いました。エバは「私たちは、園にある木の実を食べてよいのです。しかし、園の中央にある木の実について、神は、『あなたがたは、それを食べてはならない。それに触れてもいけない。あなたがたが死ぬといけないからだ。』と仰せになりました。」と答えました。神様は明らかに、「それを取って食べるその時、あなたは必ず死ぬ。」と言われたのに、エバは「『死ぬといけないからだ』と仰せになりました。」と答えたのです。死ぬこともあり、死なないこともありうる、というように、みことばを変えてしまいました。
こうして神様のみことばを心に留めずに変えてしまえば、次にはさらにたやすくサタンに惑わされるようになります。蛇はこの機会をのがさず、「あなたがたは決して死にません。 あなたがたがそれを食べるその時、あなたがたの目が開け、あなたがたが神のようになり、善悪を知るようになることを神は知っているのです。」と言いました。
エバが蛇の誘惑を受け入れて、 前とは違い、目の欲と肉の欲と暮らし向きの自慢が働くようになったので、善悪の知識の木の実が食べるのに良く、目に慕わしく、賢くするように見えました。結局、善悪の知識の木の実を取って食べただけでなく、夫のアダムにも与えました。
その結果、「あなたは必ず死ぬ。」と仰せられたみことばが、そのまま臨むようになりました。「罪から来る報酬は死です。」(ローマ6:23)と言われた霊界の法則のとおり、罪の報いを支払うようになりました。だからといって、アダムとエバが善悪の知識の木の実を食べた後、すぐに息が絶えて死んだわけではありません。
「必ず死ぬ。」と言われたことは、肉の死だけを意味するのではありません。根本である人の霊が死ぬことを意味します。アダムと神様との間に交わりが途絶えたことを、「アダムの霊が死んだ」と言います。また、アダムが罪を犯したことによって、アダムだけが呪われたのではなく、それ以後に生まれたすべてのアダムの子孫まで、アダムのように罪人となり、死に至るようになりました (創世記3:17) 。
蛇はもっと大きく呪われました。創世記3章14節に「神である主は蛇に仰せられた。『おまえが、こんな事をしたので、おまえは、あらゆる家畜、あらゆる野の獣よりものろわれる。おまえは、一生、腹ばいで歩き、ちりを食べなければならない。』」とあります。この「蛇」とは、霊的に「敵である悪魔・サタン」を意味し、「ちり」とは土地のちりで造られた「人」を意味します。
それで、「蛇がちりを食べる」ということは、「敵である悪魔・サタンが、罪の中に生きる肉の人を餌として、試練や患難や災いをもたらす」という意味です。それで、肉に堕落した人々は、敵である悪魔・サタンの支配を受けて、あらゆる苦しみを味わいながら生きていくようになりました。
3.神様がエデンの園に善悪の知識の木を置かれた理由
神様はアダムが善悪の知識の木を取って食べる、ということをご存じであり、善悪の知識の木を置かれた理由は、アダムにまことの幸せを与えるためでした。アダムはエデンの園で、不幸を体験したことがなかったからです。とても美しくて平安で、何の不足もないところで住んでいましたが、まことの幸せを感じられなかったのです。
人があるもののまことの価値を悟るためには、それと反対になるものを体験して、相対性を悟らなければなりません。仮に、生まれてから今まで病気にかかったことが一度もなかったら、病気による苦しみと悲しみがどんなことなのか、心からは感じられません。健康についても感謝が少ないのです。飢えで苦しんだ人でこそ、豊かな食べ物を見て心から感謝できます。悪があってこそ善がどれくらい良いことなのかを知り、闇があってこそ光がどれくらい大切なのかがわかります。
アダムは、不幸が全くないエデンの園で死を見たことがなかったので、「善悪の知識の木から、取って食べるその時、あなたは必ず死ぬ。」と仰せられても、そのみことばの意味を心から悟ることはできませんでした。しかし、善悪の知識の木の実を取って食べて、エデンの園から追い出され、呪われた世の中で生きていきながら、飢えと疲れ、寒さと暑さ、死、別れ、そして罪と悪による悲しみと苦しみを経験するうちに、エデンの園に住んでいた時がどれくらい幸せだったのかを悟るようになりました。
人がまことの幸せを感じられなくて生きていくなら、平安に生きていると言っても、その人生にどんな意味があるでしょうか? たとえつかの間苦労をしても、幸せを悟って生きるなら、それでこそ価値のある人生だと言えます。それで神様は善悪の知識の木を置かれて、それによって不幸と苦しみも経験して、相対性を悟るように許されたのです。
このように、アダムは自由意志によって善悪の知識の木の実を取って食べ、それによって人類は、寒さと暑さ、病と貧しさ、飢え、別れ、死など、多くの苦しみを味わいながら生きていくようになりました。この地上で相対性がわかって、耕作の過程を経験した後で、将来天国に行けば天国がどれくらい良いかが悟れ、神様に心から感謝して、とこしえに喜びと楽しみの中で生きていけます。
神様は、アダムが善悪の知識の木の実を取って食べて罪を犯すようになることを、初めからご存じでしたので、永遠の前から、罪人となった人類を救う道も用意しておかれました。それでは、その救いの道とははたして何でしょうか? これについては、次に語ります。
愛する聖徒の皆さん、
<第二コリント4:17>に、「今の時の軽い患難は、私たちのうちに働いて、測り知れない、重い永遠の栄光をもたらすからです。」とあるように、この地上でどんな悲しみと苦しみにあっても、その後には、この上もなく栄えある天国と永遠の幸せを、とこしえに受けるようになります。
ですから、幸せを与えることを願われる神様の愛を深く悟って、神様に対する感謝と天国への希望で、毎日喜びあふれる信仰生活を送られますように、主の御名で祝福して祈ります。
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