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誠実の実
万民ニュース
第 163 号
3483
2016. 05. 22
堂会長イ・ジェロク牧師
「しかし、御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制です。このようなものを禁ずる律法はありません。」(ガラテヤ5:22〜23)
御霊の九つの実の一つである誠実の実は何であり、世の人々が思う誠実とはどんな違いがあるだろうか?主にあって誠実な人は神の国の宝としてほめられて信頼され、天国でも偉い人になれる。
1. 自分の使命以上をやり遂げる誠実
給料をもらっている働き人がその誠実さをほめられるには、どうすべきだろうか?自分に任されたことをちゃんとやり遂げたからといって「誠実な働き手」と言うのではない。自分に任されたこと以上にあふれるまでにやり遂げたとき、誠実だと言う。
本当に誠実な働き手なら「給料をもらった分はしなければ」と計算づくで働いたり、強いられて働くのではない。芯から湧き上がる熱い心で自分の時間と物質、努力を少しも惜しまないのである。
出エジプトの指導者モーセは罪を犯したイスラエル民をいのちへと導こうと、自分の命をかけて祈った。「・・・ああ、この民は大きな罪を犯してしまいました。自分たちのために金の神を造ったのです。今、もし、彼らの罪をお赦しくだされるものなら──。しかし、もしも、かないませんなら、どうか、あなたがお書きになったあなたの書物から、私の名を消し去ってください。」(出エジプト32:31〜32)。
モーセの使命はエジプトで奴隷として暮らしていたイスラエルの民を解放させることだった。神の心を持って愛と最善を尽くして民を導いたし、彼らが罪を犯した時は、自分が責任を負おうとした。
異邦人の宣教に先立った使徒パウロもやはり「もしできることなら、私の同胞、肉による同国人のために、この私がキリストから引き離されて、のろわれた者となることさえ願いたいのです。」と告白している(ローマ9:3)。
このように、誠実な人はどの分野を任されても「これぐらいやればいい」というのではなく、自ら心とまことを尽くして、あふれるまでにやり遂げるのが見られる。
2. 心を割礼して真理にあっての誠実
犯罪組織に入って命をささげて献身したからといって、その人が誠実だとは言わない。善と真理にあって誠実を尽くす時でこそ、神の御前で誠実な働き人になれるのだ。このように真理にあって誠実であるために最も重要なことが心の割礼である。
<黙示録2:10>に「死に至るまで忠実でありなさい。そうすれば、わたしはあなたにいのちの冠を与えよう。」とある。「死に至るまで忠実である」とは、肉の命が尽きるまで働くことを言うのではない。聖書66巻に込められている神のことばを、いのちを尽くして誠実に実現するという意味である。「私にとって、毎日が死の連続です。」と言った使徒パウロのように、自分の肉を徹底的に殺して聖められていくことがまさに霊的な誠実なのだ。
神が愛する子どもたちに最も望んでおられることが「聖め」であることを悟り、力を尽くして心の割礼をしなければならない。使命や務めを引き受けてやり遂げても、聖めとともにしてこそ、その誠実も移り変わらない。現実に何かの困難がやって来たり、心の訓練があっても、使命を尊く思って最後までやり遂げるのだ。
しかし、心の割礼をおろそかにする人は、何かの誘惑や困難にあうと自分の心を守れないので、神との信頼関係を捨てて、後には使命を手放したりもする。したがって、神が認められる誠実には、必ず心の罪と悪を脱ぎ捨てる霊的な誠実が伴わなければならない。
心の割礼は神の子どもならば当然すべきことだが、聖められた心で使命を果たすと、大きい報いとして積まれる。たとえば、奉仕をしても互いに平和を壊しながら不平不満の心でする時は、かえって報いが減らされるのだ。だが、平和をつくりながら仕え合って、善と愛をもって奉仕するなら、すべての労苦がかぐわしい香となって、天国に報いとして一つ一つ積まれるのである。
3. 主人の心にかなうように従う誠実
もし主人がしもべに家の掃除をさせたのに、畑に行って一日中働いたとしたら、誠実なしもべだろうか?そうではない。このしもべは結局従わなかったということだ。これは自分の思いに合わなかったか、私心があったからである。このような人は、今は主人に仕えているようでも、自分の思いと欲に従ってしているので、いつでも主人の心に逆らうことがありえる。
教会の中でなら、まず神のお心にかなう誠実でなければならない。また、霊的な秩序にあって目上の人の心にかなうように聞き従って、誠実を尽くさなければならない。聖書に「忠実な使者はこれを遣わす者にとって、夏の暑い日の冷たい雪のようだ。彼は主人の心を生き返らせる。」とある(箴言25:13)。任された分野で熱心に働いても、自分の思いのとおり働くなら、主人の心を生き返らせることはできない。
聖書には、ダビデ王の親戚で将軍だった「ヨアブ」という人物が出て来る。彼はダビデが訓練を受けていたとき、敵に追いかけられて逃げていた時も、そのそばを守って生死苦楽を共にした。だが、ダビデはヨアブを気安く思うことができなかった。自分の目的を達成するためには、ダビデに対して無礼な行動もはばからなかったし、自分の利益に合わなければ、ダビデの意図に逆らったりしたからだ。結局、ヨアブはダビデの後を継いだソロモン王に反逆を起こし、殺されるようになる。
私たちが神の働きをする時も、何をどれほど熱心にしているのかより、どれほど神のみこころにかなうようにしているのかが大切である。どんな働きをしても、自分の心、自分の思いどおりにする前に、主にあって目上の人の心に合わせて働けてこそ、まことの誠実だと言える。
4. 自分にかかわるあらゆる分野で誠実
神は出エジプトの指導者モーセについて「彼はわたしの全家を通じて忠実な者である。」とほめられた(民数記12:7)。「全家を通じて忠実な者である」とは、自分がかかわっているあらゆる分野であまねく誠実を尽くすことである。
教会でも、いくつかの務めを受けたなら責任を全うしなければならないし、特別な使命がなくても、各種の集まりに属する会員として、いるべき所にいることも誠実の一つである。教会だけでなく、家庭や職場、学校でもそれぞれすべきことがある。あらゆる分野においても、その構成員としての本分を尽くさなければならないのだ。
このように神の子どもとして、教会の聖徒として、働き人として、務めを持っている者として、家庭、職場、学校の構成員としての本分を尽くすことが全家を通じて忠実な者になることである。一つ二つの分野だけ熱心であって、残りはおろそかにするのではなく、あらゆる分野で誠実でなければならないのだ。
御霊の人に変えられるほど、全家を通じて忠実な者になるのは難しくない。たとえ少ない時間を投資しても、あらゆる分野で御霊に属する心で行うなら、必ず実を刈り取ることができる。先に相手の利益を求めてその人の立場を考えるので、自分を犠牲にしてでもあらゆる分野を顧みるからだ。
たとえば、ある集まりに参加できないようなら、他の方法ででも心を一つにして、何としてでも力になろうとする。このように心に善があるほど、どれか一つの分野に偏らないで、あらゆる分野に誠実を尽くして、すべての人と平和をつくることができるのだ。
愛する聖徒の皆さん、
イエス・キリストを受け入れて聖霊を賜物として受けた後、御霊の実を結び、いのちをかけて誠実を尽くす理由は、主の尊い血の代価である魂を愛して、数多くの魂を救うためである。
<詩篇101:6>に「私の目は、国の中の真実な人たちに注がれます。彼らが私とともに住むために。全き道を歩む者は、私に仕えます。」とある。このように誠実を尽くして真実な人となり、主の愛を実践することによって、神の御座がある一番美しい天国の新しいエルサレムの主人公になられるよう、主の御名によって祈る。
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